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それは、たった一言の言葉だった。
「じゃあ、『契約』しましょう。晴喜」
友人だった少女は、笑みを浮かばせながら私に言った。
その意味など全然わからなかったが、その時だけ『恐怖』と言うものを感じた。
少女は、私の右手を取り、手のひらを指でなぞる。
少女は笑いながら答えた。
「……あたしね、晴喜にだったらなんでもあずけていいかなって思ったの。だって晴喜はあたしの最初で最後の『親友』だもの」
「……ルル?」
「すごく楽しかった。晴喜はあたしの知らないことをいっぱい教えてくれた。だからあたし、晴喜に恩返しがしたいの……きっと、もうすぐ晴喜に会えなくなっちゃうから」
「え……?」
「ありがとう、晴喜。あなたに出会えて、あたし幸せだった」
どうしてそんな事を言うのだろうか?
私はそのまま少女の手を握った。
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