20××年、4月5日 序章 

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「嫌だ!せっかく私はお前と友達になったのに……どうしてそんな事言うんだよ!もしかして、私が嫌いになったのかルル!?」 「……違うよ、晴喜。あたしはね、こうして外に出ちゃ行けないし、それにこうして晴喜みたいに『友だち』を作っちゃいけないんだよ」 「ルル……」 「でも晴喜もあたしと同じこと、考えてくれたんだね……よかった」  少女はまた笑った。  だけどその笑いは、決して良い笑いではなく、少女の瞳から涙がこぼれていた。  私は手を放そうとしなかった。  けど、少女はゆっくり、ゆっくりと私の手を放していき、ゆっくりと離れようとする。 「ねぇ晴喜」 「……なに?」 「ここの薔薇園、本当に綺麗だね」 「……」  辺りを見回すと、少女と私の周りには、無数の薔薇が植えられている。  二人はその中心に立ち、少女は愛おしそうに赤い薔薇を見ながら、答えた。
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