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プリントを一枚手に取った後、黒雪は何も言わず隣の席に座り、筆箱からシャープペンシルを取り出し書きはじめる。
「お、おい黒雪……」
「早く終わらせたいんだろう?手伝ってやるからさっさとやれこのド阿呆」
「……」
「フフ……黒雪君ははるくんの事大好きだもんねー♪じゃあ私もお手伝いしてあげる」
「仕方ない。友人を見捨てるわけにはいかないからな。ささっとやって終わった後はカラオケに行こうぜ!」
「…………」
四郎と春風も一枚ずつプリントを持って自分の席についた後、プリントをやり始める。
俺は黙ったままプリントを見つめた後、もう一度ため息を吐いた。
(……流石に帰れないよな)
そう思いながら、先ほどのプリントに視線を戻し、問題文を解き始める。
問題文を解き始めている途中、ふと隣に座って同じように問題文を解き始めている友人、黒雪海に視線を向けながらも。
(そういや、黒雪って何考えてるのかわかんねー男だもんなー……)
そもそも、どうしてこうして話すようになったのか、こうして友人と言う存在になってしまったのか、俺には全くわからなかった。
いつの間にか隣に居たかのような、そんな感じだからだ。
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