20××年、4月5日 序章 

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(そう、いつの間にか……)  手の動きを止め、思い出していた。  ある日の光景、ある日の残像、ある日の――惨劇を。 (俺は、これからも絶対に忘れない……)  俺が俺でなくなってしまった『あの時』から。  俺は、『人』で居られなくなってしまったときから。  もう二度と、『人間』にはなれないという現実をつきつけられたとしても。 (この『運命』を決めたのは、俺だしな)    ――じゃあ、『契約』しましょう。晴喜  大切な友人の為に、俺はこれからも生き続けなければいけないのだから。
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