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神谷さんにはミーティングルームで待っていただくことにして、一旦デスクに戻った。
すぐさま、私の元にユリナちゃんが駆け寄ってくる。
「澪先輩っ! 大丈夫でしたかっ!?」
眉を思いきり下げた彼女から読み取れるのは、不安。
ものすごく心配していてくれていたに違いない。
「うん、心配かけてごめんね」
私はにこりと笑い返して、事の顛末を話した。
御園さんとのこと、仕事のこと、そして、神谷さんのことを。
神谷さんの話を聞いた途端、ユリナちゃんは「うわあー!」と感嘆の声を上げた。
「すごいすごいっ! 神谷さんってば、王子様みたいですぅ!」
「お、王子様!?」
「そうですよぉ!」
そう言って、ぎゅっと私の手を握ってきた。
驚いて目を見張る私を気にもせず、ユリナちゃんは興奮した様子でまくしたてた。
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