【第25話】打ち明け話と胸の内

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  「羽村さんはね」 そう切り出した神谷さんは、私の方に向き直り、こつん、と額を小突いた。 「自分で頑張ろうとし過ぎ。抱え込み過ぎだよ」 一瞬だけ共有した小さな熱が、じわり、存在感を増す。 額に触れた神谷さんの指先が去ったと同時に、私からは疑問の声が漏れていた。 「……え? ……でも、あれは私の仕事で」 「うん、それはそうだよ。最後までやり抜こうとする羽村さんの姿勢は立派だと思う」 そう言った神谷さんが、再びグラスを手に取った。 ゆっくりと一口、飲み込んだ後、首を傾げて私に言う。 「でもね、さすがにやり過ぎだよ。何のために会社があるの。お互いにフォローし合うためじゃない?」 「フォロー……し合う……」 「そう」 神谷さんは、“正解”とでも言うかのように、私の方を指差した。 その表情は柔らかく、とても穏やかだった。 .
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