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「……確かに、そうですね……」
もっと早くに、佐川さんに相談するべきだった。
弱音を吐くことと、相談して指示を仰ぐことは違う。
上司に現状を伝えることは……甘えでもなく逃げでもなく……仕事上必要なことなんだ。
そんなことわかっていたはずなのに、上手くやれなかったのは、頭に血が上っていたせいだろうか。
どうやら私は、私が思うほど冷静にはなり切れていなかったらしい。
同意した私に、神谷さんが軽く笑って頷き、続ける。
「あと、もうひとつ」
まだあるのか、そう思った私の目を覗き込んだ神谷さんが、意地悪な笑みを浮かべた。
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