1615人が本棚に入れています
本棚に追加
「羽村さんって、結構顔に出るよね」
「えっ、何がですか?」
「今、何言ってるのって、顔に書いてたよ」
「っえ、と……」
思わず言葉に詰まってしまった。
そんなわかりやすい表情をしていただろうか。
自分ではあまり、顔に出る方じゃないと思っていたのに。
神谷さんは私の様子を楽しそうに見ている。
以前の私だったら、そんな風に見られた途端、どぎまぎしてしまっていただろう。
「わからないなら、教えてあげようか」
そう言った神谷さんが、右手で頬杖をついた。
私が座っているのは左側だから、自ずと私の方に、体が開く。
.
最初のコメントを投稿しよう!