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「御園が羽村さんを傷つけたことが、どうしても許せなかったんだ」
言葉と共に投げられた柔らかい笑みが、私にまっすぐ刺さった。
あまりに衝撃的で、また私は黙り込む。
「羽村さんを傷つけた彼女に腹が立って、何をしてでも謝罪させたかった。……まあ、それは叶わなかったけれど、とにかくそのままにしておけなくて、あんな公開処刑みたいな真似をしたんだよ」
神谷さんの口からするするとこぼれてくる言葉は、どう受け取ったとしても、私への贔屓としか聞こえてこない。
傷つけたのが許せなかった。
その相手に腹が立って、謝罪させたかった。
そんな怒りに任せた行動、紳士的な神谷さんらしくない。
少なくとも“鳳凰堂の神谷さん”と“制作会社＋Dの私”の関係としては、相応しくないと思う。
いくら私を仕事の相手として買っていてくれたとしても、それだけの気持ちでそんな風に思うだろうか。
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