【第25話】打ち明け話と胸の内

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  いや、違う。 これは贔屓じゃなくて、もっと、甘い方向の別物だ。 私は、知っている。その感情を。 どくん、どくん、と、急に心臓の音が主張を始める。 そんな私の様子をどう受け取っているのか、神谷さんは苦笑した。 「ひどいよね。自分でも思うよ」 「いえ、そんな……」 かろうじて絞り出した返事に、彼は明るく笑った。 「つまり、僕も私情で動いちゃったってこと。御園に偉そうに言えたもんじゃないね」 そう言って、手元のグラスを傾ける。 私も握りしめたままだったグラスを、そっと持ち上げた。 神谷さんのいまの言葉が、そして昼間の行動が、指し示すもの。 それに対する私の感情が、胸の中で激しく暴れるのを抑えながら。 .
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