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「邪悪な女王から姫を助け出す王子様みたいじゃないですかぁ! 辛口イケメンにそんなスペック搭載してるなんて、んもう、どこの少女漫画ですかぁ!?」
……邪悪、ってのはいくら何でも言い過ぎだろう。
けれどユリナちゃん視点で見ていると、そういうことになるんだろう。
確かにさっき、私を救ってくれたのは、神谷さんだ。
私を見つめる彼女の瞳はキラキラと輝いていて。
そこには何か、期待の色が浮かんでいる。
私はその目から逃げるように、苦笑いで返した。
「えーと……、うん、まあ……そういうことだから、明日からまたよろしくね」
「あっ、はいっ! ユリナ、澪先輩とこのお仕事が続けられて、嬉しいですぅ!」
「うん、私も。最後まで頑張ろうね」
「はいっ!」
ユリナちゃんの返事を受けて、私は帰り支度を始めた。
と、そこに飛び込んできたのは、意外な言葉だった。
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