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「じゃ、長瀬さんにもそう連絡入れときますねっ!」
元気よくそう言ったユリナちゃんが、自分の席へと戻ろうと踵を返した……のを、反射的に引き止めた。
長瀬の名前がこんなところで出てくるとは、思っていなかったから。
「……長瀬に、連絡?」
私が掴んだその手を不思議そうに見てから、ユリナちゃんはきょとんとした様子で答える。
「そうですよぉ? 長瀬さん、すごく気にしてたみたいなので、連絡しとこうかなってぇ」
「気に、してた?」
ものすごく怪訝な顔をしているんだろう、私は。
自分でわかるくらいだから、それを向けられているユリナちゃんの表情も少しずつ、疑問の色が濃くなっていく。
「あれぇ? 澪先輩が相談したんじゃないんですかぁ?」
そう言った彼女は大きく首を傾げて、私の顔を覗き込んだ。
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