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「長瀬さん、澪先輩のことすっごく心配してましたよぉ! 出張前から……っていうか、最初から! ずっと気にしてましたし!」
「長瀬が……?」
「そうですってばぁ! 澪先輩が御園さんに嫌がらせされてたの、気付いてたんでしょうねぇ……『羽村に何かあったら教えて』って、言われましたもん!」
「そう、なんだ……」
呟くと、何かがじわり、胸に広がっていく。
長瀬は、私のことを心配してくれていたんだ。
ちゃんと、見ていてくれたんだ。
そう実感すると、不意に、泣きそうになった。
嬉しい。
ものすごく、嬉しい。
見えなかった優しさが、じわじわと心を満たしていく。
今、傍にはいないけれど、長瀬をすごく近く感じることができた。
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