《1》

3/6
前へ
/718ページ
次へ
おとぎ話の世界でも、見た目重視感が顕著に現れている。 だから、どんなに素敵な夢物語であろうとも、私の心には全然響いて来ない。 物語の出だしは、パターンが決まっている。 《昔々、あるところに、それはそれは美しいお姫様(娘)がおりました……》 美しい事が大前提。 笑える。 例えてみれば、白雪姫。 ストーリー展開に色々なバリエーションがあるけれど、一番ポピュラーなのが 魔女に変身した継母から毒りんごを貰い、それを食して死んだ白雪姫が七人の小人達に弔われている所に、通りがかった王子様のキスで生き返る…… という、非現実的でドラマチックな展開。 王子様が棺の中の白雪姫に一目惚れし、弔いの意を示してキスしたらしいけれど。 もし、仮に白雪姫がとんでもなくおブスであったなら、きっと王子様は素通りしていたんじゃないだろうか。 そして、彼女は永遠に目を覚ます事なく、地中深く埋められていた筈。
/718ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32478人が本棚に入れています
本棚に追加