《3》

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差し出された書類を受け取ろうとしない私に業を煮やしたのか、課長が凄みを利かせて睨んでくる。 「早くやれよ」 「………」 「聞こえてんのか?」 尚も受け取ろうとしない私に課長は「チッ…」と舌打ち。 「さっさとやれよ。俺は忙しいんだ」 「……」 「…おい」 …何だろう? この非常に不愉快な感じ。 偉そうに… 何が「俺は忙しいんだ」だ? 私だって忙しいんですが。 じわじわ溜まっていく怒りゲージ。 それがフルにならないように精一杯抑えつつ「お言葉ですが…」と課長に切り出した。 そして、課長が引っ込めない書類を引ったくり、デスクの上に叩きつける。 「やり直す程の仕事じゃないと思います」 ピシャリと言い放ち、課長の鋭い眼差しに負けじと睨み返してやった。
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