《3》

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羽鳥課長からのクビ宣告を待っている私を、彼は何故か興味深そうに、品定めするかのように見てくる。 そして、イスの背もたれに預けていた体を起こして前のめりの姿勢に変え、デスクに肘を付いた。 立てた肘の先にある大きな手の甲に顎を乗せた課長は、ゆっくりと間を取ってから口を開く。 「……お前、なかなか良い度胸してるじゃねーの」 「………」 口元は笑っていても、目は微塵も笑っていない。 人の心を見透かすような鋭い眼差しは、何とも威圧的だ。 「確か……俺が本社に行ってる間に契約社員として、入って来たんだったよな?」 「…………はい」 たかが契約社員の分際で、デカイ口を叩くな…とでも言いたいのか。 ……かと思えば 「えー…っと……名前、なんてったっけ?」 突然のすっとぼけ発言。 思わず「………は?」と、聞き返した。
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