32279人が本棚に入れています
本棚に追加
/718ページ
「…直井さん、ナイスファイト」
自分のデスクに戻るなり、隣のデスクの男性が小声で労いの言葉を掛けてきた。
彼は羽鳥課長が復帰した時に毒を吐いていた内の一人で、アンチ課長組。
それに「……いえ」とだけ返し、引き出しから電卓を取り出した。
この集計……今日中に終わらせなければいけないんだった…
カチカチと電卓を叩く私を、沢山の瞳が見つめている。
賛同的な視線は極一部。
大半は批判的且つ、蔑むような視線。
ただでさえ居心地が悪かったのに、益々居心地が最低最悪になった。
結局、その日一日、課長から私の進退についての話はなかった。
それ所か、寧ろ、今回の件がキッカケで課長に目を付けられる事になろうとは……
最初のコメントを投稿しよう!