《3》

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「…直井さん、ナイスファイト」 自分のデスクに戻るなり、隣のデスクの男性が小声で労いの言葉を掛けてきた。 彼は羽鳥課長が復帰した時に毒を吐いていた内の一人で、アンチ課長組。 それに「……いえ」とだけ返し、引き出しから電卓を取り出した。 この集計……今日中に終わらせなければいけないんだった… カチカチと電卓を叩く私を、沢山の瞳が見つめている。 賛同的な視線は極一部。 大半は批判的且つ、蔑むような視線。 ただでさえ居心地が悪かったのに、益々居心地が最低最悪になった。 結局、その日一日、課長から私の進退についての話はなかった。 それ所か、寧ろ、今回の件がキッカケで課長に目を付けられる事になろうとは……
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