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「あのっ、優輝さん……」
「ここのオムライス有名らしいよ」
美味しそうに食べる優輝さんがあたしの言葉を遮って言う。
「えっ、そうなんですか?あっホントだ美味しい」
その後も、優輝さんは、昨夜の飲み会での話を、させてはくれなかった。
まるで、『もう忘れろ』とでも言うように。
『今を楽しもう』って言うように。
これが大人の対応!?
あたしは、静かに従った。
「おいしかったな」
カフェから出た優輝さんが、言った。
「ごちそうさまでした」
あたしは、ちゃっかりごちそうになっていた。
あたしたちは、ランチのオムライスにケーキセットとコーヒーを飲んで、ゆったりと時間を過ごして出てきた。
十何時間ぶりかに、お腹に食べ物が入り、あたしの身体にエネルギーが満ちる。
「もう何にも入らないな」
「あたしも、お腹いっぱい♪」
2人で顔を見合わせて笑う。
「腹ごなしに散歩でもしようか?」
「はい」
あたしたちは、湖の周りの散歩道を歩いた。
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