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湖の周りに植えられた木々によって、眩しい太陽の光が、木洩れ日になる。
キラキラ眩しい湖を眺めながら、自然の空気や小鳥の囀ずりを楽しんだ。
「ほらっ璃子、鯉のエサだって」
優輝さんが、餌箱から一袋取り出す。
「鯉がいるんですか?」
2人で湖面を覗く。
すると、後ろから、グワッグワッ……って、アヒルがやって来た。
「ほらっ、璃子」
優輝さんが餌をあたしに渡す。
「えっ!?」
あたしは、一瞬でアヒルに囲まれた。
「うそっ!」
あたしの手にアヒルが群がり、餌をパクパク食べていく。餌は一瞬で無くなった。
餌が無くなった後も、取り囲まれてるあたしに
「ほらっ、璃子!」
って言って、優輝さんが手を差しのべた。
思わず手を握ると、そのまま引き寄せられ、アヒルの群れから助け出された。
「見た!?見た!?優輝さん!パクパクって、あたしの手から食べてたでしょ!」
興奮状態のあたしに、
「うん、うん」って優輝さんが相槌をうつ。
ふと、優輝さんを見上げたら
見たこともないくらいの優しいキラキラした笑顔で、あたしを見つめていた。
トクンッ……
あたしの心が……音をたてた。
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