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ゆっくり景色を眺め、心が落ち着いた頃、優輝さんは、静かに話始めた。
「璃子、今、心の中にある嫌なことや心配事を全部吐き出せ。
泣いてもいいから全部吐き出せ」
「えっ!?」
あたしは、心を見透かされた気がして、驚きを隠せなかった。
驚くあたしに、優輝さんは、尚も続けた。
「お前は、ひとりで頑張りすぎるんだよ」
優輝さんは、遠くを真っ直ぐに見据えたまま言い放った。
きっと社員旅行からのここ数日の出来事を指して言っているんだろうなぁ。
優輝さんの言葉じりから、そう察した。
「大丈夫ですよ。村上姉さんにも助けていただいて、なんとかやってます。
さすがに、橘さんのお酒の件は、優輝さんが絡んでいるので、ちょっと優輝さんのファンからの風当たりが強いけど、大丈夫です」
あたしは、強がりを言った。
でも、優輝さんが、暗に示していたところは、違っていた。
「じゃあ、ちゃんと和也と話せてるか?」
突如変わった質問内容に、驚くと同時に、急激に心が痛んだ。
優輝さんが、あたしに和也さんの話をするのは、初めてだった。
初めは特に気にしていなかったけど、あの夜のキス以来、お互いにあえて避けてきた話題だった気がする。
その患部に、突然触れられた。
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