◇◇ 第20章 静かな対決 ◇◇

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璃子を送り届け、俺は会社に戻った。 なんとなく、和也が俺を待ってる気がした事と、 久々の胸の痛みに、1人でマンションに居たくなかったから。 気持ちを切り替えるため、営業フロアに上がる。 すでにフロアは、人がまばらになっていた。 まず、和也のデスクを覗いた。 「……居るはずないか」 そうだよな。俺なんかじゃなく、璃子の帰りをマンションで待ってるはずだよな。 ひとり苦笑した。 人の減ったフロアは、とても静かで落ち着いた空間だった。 ガラス張りの休憩室の椅子にドッカリ腰かけ、窓から見える夜空を見上げた。 俺は……璃子が、最後に無邪気に言った言葉を思い出していた。 思わず胸に手を当てる。 「痛いな……治るかな」 俺は、久々の失恋の痛みを噛みしめた。 .
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