ずっとそばにいてくれたね 第15話

11/15
2019人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ごめんなさい」 「何で謝る?」 「せっかくの夜なのに……」 「疲れてるんだよ。寛ぐために来てるんだから、ゆっくり疲れをとろう。 お水持ってこようか?」 「……ありがとう」 和也さんは、ゆっくり立ち上がり、リビングへと歩いて行った。 あたしは、ベッドの上に起き上がると、座って周りを見渡した。 オレンジ色のフットライトが、部屋を優しく包む。 お部屋のカーテンは、開いていて夜景が見える。 でも、ベッドはレースのベッドキャノピーで覆われていて、部屋の中なのに、隔離されたような空間だった。 「璃子」 和也さんが、ミネラルウォーターを手渡してくれた。 「ありがとう」 和也さんが、あたしと向かい合うようにベッドに腰掛ける。 おんなじバスローブが……気恥ずかしい。 「大丈夫か?」 「うん。ちょっと寝たら、スッキリしたよ」 多分、時間にしたら10分ぐらい、のはず。 「そうか、よかった」 笑うあたしに、和也さんが優しい眼差しを向けた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!