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「ごめんなさい」
「何で謝る?」
「せっかくの夜なのに……」
「疲れてるんだよ。寛ぐために来てるんだから、ゆっくり疲れをとろう。
お水持ってこようか?」
「……ありがとう」
和也さんは、ゆっくり立ち上がり、リビングへと歩いて行った。
あたしは、ベッドの上に起き上がると、座って周りを見渡した。
オレンジ色のフットライトが、部屋を優しく包む。
お部屋のカーテンは、開いていて夜景が見える。
でも、ベッドはレースのベッドキャノピーで覆われていて、部屋の中なのに、隔離されたような空間だった。
「璃子」
和也さんが、ミネラルウォーターを手渡してくれた。
「ありがとう」
和也さんが、あたしと向かい合うようにベッドに腰掛ける。
おんなじバスローブが……気恥ずかしい。
「大丈夫か?」
「うん。ちょっと寝たら、スッキリしたよ」
多分、時間にしたら10分ぐらい、のはず。
「そうか、よかった」
笑うあたしに、和也さんが優しい眼差しを向けた。
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