ずっとそばにいてくれたね 第15話

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ほらっ、お姫さまのベッドルームみたいに、天井からレースのカーテンみたいなのが、ベッドを覆っているやつ。 『蚊帳』なんて言っちゃったから、ムードもぶち壊したけれど、寝室は、とても落ち着いたシックな色合いで纏められていた。 「はぁ……ステキ」 まるでシンデレラ気分のあたしは、行く部屋、行く部屋で、感嘆の声をあげた。 「せっかくだから、お風呂に入って、ゆっくりしようか?」 和也さんの甘い声が耳に届く。 「……ふぅん」 夢見る世界から戻れなくて、返事がうまく返せない。 「璃子、せっかくだから、お風呂に一緒に入ろうか?」 「……ふぅん……んっ!?」 和也さんが、いつも通り、あんまりサラリと言うから、ついついお返事しちゃいましたけど 「むっ無理です!」 一気に現実に引きずり戻されたあたしは、慌てて訂正した。 「あんな大きなお風呂に、ひとりで入るなんて寂しいだろ?一緒に入ってあげるから」 なんて…… ご飯を一緒に食べよう。食べさせてあげるよ!みたいな感じで、サラリと言ってるけど おかしいですよ和也さん! 「いいんです!ひとりでゆっくり入ってください」 あたしは、ピシャリと断った。 「……そっか」 なんて、和也さんは、ちょっと寂しい表情を浮かべる。 あっ…… せっかくこんなステキなプレゼントをしてくれてるのに、あたしったら、ちょっと余裕無さすぎだったかな。なんて…… チラリと顔を覗いたら 和也さんは、ニヤリと笑って、あたしの様子を窺ってた。 「あっ!やっぱりわざとからかってる!」 突っ込むあたしに ハハハ……と、和也さんが声をあげて笑う。
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