ずっとそばにいてくれたね 第15話

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和也さんのあがった後に、お風呂に入る。 「璃子、来てごらん」 入る前に、和也さんが、入浴剤を教えてくれた。 もちろん薔薇の薫りをチョイスして、お湯に溶いて、沸き立つ香りに包まれ、気分はすっかりお姫さま。 ワンピースのチャックに手をかけ、脱ごうとしているのに、浴室から出ていこうとしない和也さんを発見し、押し出した。 「もぉ!油断もスキもないんだから」 ジャグジーのお風呂に浸かって、浴槽の縁に、うつぶせで手をかけ顔を置く。 眼下に広がる夜景は、美しすぎて、ついつい長風呂をしてしまいそうだった。 「はぁ……極楽極楽」 こんな素敵なところに泊まれちゃうなんて……本当にステキ♪ あたしは、ゆったり湯船に浮かんでみる。 そして……気がついた。 あれっ!?泊まる!? 一瞬、村上姉さんのニヤついた顔が浮かぶ。 『ほらねっ……』なんて村上姉さんの声まで聞こえた気がした。 っていうか……あたしが泊まるって言っちゃった! 『璃子ったら……大胆♪』なんて村上姉さんの声が聞こえる。 違う違う! 和也さんは、泊まってもどっちでもいいって言ってたし あたしは……ただ、こんな素敵なところに泊まってみたかっただけで…… そう!そうなんだ! あたしも和也さんも、なんらイヤらしい事は考えてないんだから。 もぉ!村上姉さんが、勝負下着なんて言うから、変なこと考えちゃったじゃん! あたしは、首を振って邪念を払った。 お湯のせいか?思考のせいか?のぼせてる。 やっぱり、広すぎる浴室は、庶民のあたしには、どこか落ち着かない。 あたしは結局、普段通りにちゃっちゃと流してお風呂からあがった。
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