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「っで、今夜の璃子は、何を食べるの?」
「コンビニのおでんです♪」
あたしは、笑顔で答えた。
「心は寒いけど、お腹の中は温まろうって事ね?」
「何か優輝さんトゲがありますね?」
「そうか?」
優輝さんは、わざととぼけた表情を見せた。
「なぁんか感じ悪い。拓にぃみたい!」
「拓にぃ?璃子、ひとりっこだろ?」
「あっ、すいません。隣に住んでる近所のお兄ちゃんなんです。拓巳(たくみ)って言うんですけど、小さい頃から可愛がってくれてて、『拓にぃ』って呼んでるんです」
「へぇ、幾つ違い?」
「あたしの五歳上です。だから、優輝さんより、三歳下ですね」
「へぇ。その拓にぃとは、恋仲にはならなかったの?」
「ならないですよ。…拓にぃったら、いっつも彼女連れてきて、あたしに紹介するんですもん。
拓にぃが、社会人になってからは、クリスマスにおごってやるからって食事に連れていってもらってたなぁ。
でも、あたしが社会人になって、一人暮らしを始めてからは会ってないなぁ」
「へぇ、その拓にぃとやらに会ってみたいね」
「優輝さんほどじゃないけど、なかなかのハンサムで、イイ男ですよ」
「へぇ……」
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っていうか、その拓にぃとやらに、璃子を女として意識しないコツを聞きたいね。
俺は秘かにそう思った。
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