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「っで、隼人!隼人のあれは、わざとでしょ?」
冴子は、今度は隼人さんに話を振った。
「何が?」
「とぼけても無駄よ!わざと拓巳くんに、和也と璃子の関係を聞かせたでしょ?」
「まぁなっ」
「どうしてそんな事したのよ?」
「あぁ、拓巳ねぇ。あいつ、入社してから、仕事も人間性も完璧で、まさに非の打ち所が無くてな。
そして、そんな男だから、女子社員たちもほっとかないだろ?
物凄くモテるうえに、あしらい方も上手くてな。
でも、誰とも付き合わず、浮いた話を聞いたことが無かったんだ。
それだけが、謎のままだったんだが、今夜、食事に呼んでもらえてよかった。
初めて、あんなにバランス崩した人間味溢れる拓巳を見たよ。
璃子ちゃんのおかげでいいものが見れたよ」
「隼人……趣味悪いわよ?」
「まぁ、経営者としては、社員のいろんな面も、きちんと知っておかないとな。
まぁ、璃子ちゃんには、今度お詫びを兼ねて穴埋めしとくから」
隼人さんと冴子は、ふたりで目を合わせて笑った。
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