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顔を見合わせて、ふたりでクスクス笑い合う。
「じゃあ、絶対に守ってね!」
ちょっと拗ね気味で言ったあたしに
「もちろん。当然でしょ」
って、和也さんはサラリと甘い笑顔を添えて答えてくれた。
ふたりで同じ木の枝におみくじを結び、もう一度、神さまに手を合わせて境内を出口に向かって歩く。
出口の傍では、帰りの参拝客に、御神酒が振る舞われていた。
「御神酒です。よかったらどうぞ」
巫女さんの差し出す紙コップに入れられた御神酒を、あたしは、ふたつ受け取った。
「ありがとうございます」
御神酒は、灯りに照らされ、キラキラと紙コップの中で輝いているように見えた。
「せっかくだし、縁起物だし、凶を祓う為にもいただきます」
「あぁ、飲んでごらん」
「あっ、思ってたよりも飲みやすい♪」
「璃子は、ほどほどにね」
コクコクと頷きながら和也さんの忠告を聞き、また口に含んだ。
「身体が温もる~」
なんて言いながら、結局あたしは、ゴクリと御神酒を飲みほした。
「大丈夫か?」
歩いて帰りながら、次第に酔いの回ってきたあたしを覗き込んで和也さんが声をかける。
「大丈夫れす」
あたしは、すでにふらふらで、すっかり出来上がっていた。
「ほら、璃子掴まって」
でも、すでに足がおぼつかなくなっていたあたしは、和也さんに腰に手を回され、しっかり抱えられて連れられていた。
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