◇◇ 第27章 パーティーデビュー ◇◇

2/19
前へ
/40ページ
次へ
年末年始と、和也さんとあたしは、ふたりの時間を大切に、ゆっくり過ごした。 そして、今日から仕事始め。 まずは、社長の年頭の挨拶から始まった。 その後は、新年の挨拶回りにいらっしゃるお客さまの対応に追われ、あたしの新年最初の1日目は、慌ただしく過ぎていた。 夕方になり、落ちついた頃、社長が和也さんを呼んだ。 その後、優輝さんと冴子さんも呼ばれ、社長室には華やかなメンバーが集められていた。 「何事だろうね?」 「ほんとですね」 村上姉さんの言葉に、小さく答えた。 お互いに、答えの出ない疑問ゆえ、ただ状況を見守るしかない。 その時、あたしの内線が鳴った。 「はい桜井です」 「今すぐ社長室においで」 電話の相手は、和也さんだった。 黙って受話器を置く。 「なんだって?」 村上姉さんが、興味津々にあたしを窺う。 「わかりません。あたし、何かミスでもしたんでしょうか?とりあえず社長室に呼ばれました。いってきます」 村上姉さんは、笑いながら、『がんばって来い』と言わんばかりに、小さくガッツポーズをして見せた。 あたしも、小さくガッツポーズを返しながら、急いで社長室へ向かった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2138人が本棚に入れています
本棚に追加