◇◇ 第27章 パーティーデビュー ◇◇

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トントン…… 「桜井です。入ります」 どうしようもない緊張に襲われながら、あたしは顔をひきつらせて社長室の扉を開けた。 「お呼びでしょうか」 中を覗くと、座る社長の前に、冴子さんを真ん中にして3人が立っていた。 「桜井入れ」 社長に呼ばれ前に進み出る。冴子さんが、あたしを和也さんの隣に来るように勧めた。 っていうか、このメンバーの中に立ってるだけで緊張する。 あたしの心臓は、太鼓のようにドンドンと脈打っていた。 「桜井、3人には話したが、1月中旬にある渡グループの新年会に出席してもらう。新社長の渡さん主催の初めてのパーティーだ。若返りも兼ねて、若手の会にとの話で、お前達に行ってもらう」 社長は、そのまま視線を和也さんに移した。 「松本、ペアはどうする?」 「はい。私は北川を、白石が桜井をと考えております」 「そうか。じゃあ桜井、白石のフォローを頼む。うちのトップセールスだから、しっかり頼むぞ」 社長は、会話の流れについていけず、どぎまぎしているあたしに、笑いながら言った。
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