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「あの、社長。申し上げ難いのですが、白石部長のお相手は、あたしにはとても荷が重いかと」
はっきり言って、無理!あたしは、丁重に断りを入れた。
「桜井、これだけのメンバーが揃うことは無い。しっかり勉強して来い。いいなっ」
笑顔のまま、あたしに課題を課す社長に、これ以上は、断れない。周りの空気からもそう感じた。
「……はい。勉強させていただきます。ありがとうございます」
あたしは、この場を収めるために、素直に返事をした。
4人で頭を下げて社長室を出る。出た途端、あたしは今度は和也さんに言った。
「松本部長、無理です。あたし、パーティーなんて行ったこと無いし、白石部長のお荷物になるだけです」
あたしの申し出を聞いた和也さんは、しょうがないなぁと、いう表情で口を開いた。
「だから、俺達3人で連れて行くんだろ?」
「えっ!?」
「優輝は、いろんなパーティーに会社代表で出ていて経験豊富だ。当然、学ぶ事も多い。優輝のパートナーで行くなんて、なかなか出来ない事なんだよ。それを組ませてもらえるんだから、しっかり勉強するつもりでついて来い。もしもの時は、冴子と俺も居るんだから、いいか璃子」
「……」
「璃子、美味しいお食事食べに行くって思えばいいのよ。隼人の事だから、美味しいお料理が出るわよ。だから、気負わず行きましょ」
冴子さんが、にっこり微笑む。
「そういう事だから、お相手よろしくね」
なんて優輝さんまで笑っていた。
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