◇◇ 第27章 パーティーデビュー ◇◇

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そんなぁ…… みんなとは、キャリアも違うし、そもそもの経験値と言うか……人間としてのキャパが違う。違いすぎる! でも、NOと言えない圧力のかかった状況の中、あたしは仕方なく、また、「勉強させていただきます。よろしくお願いいたします」と、頭を下げた。 ******** 「和也、ちょっといいか?」 「あぁ」 俺は、そのまま優輝に会議室へ誘われた。 「俺には、璃子と組ませる本当の理由を話せ」 優輝は、窓の外を見ながら俺を振り返る事なく穏やかに言った。 「そうだな。璃子が戸惑わないように、少しずつ公の場に慣れさせる。璃子の親父さんとの約束のひとつだよ。経験豊富な優輝となら、華やかな空間にもすんなり慣れる事ができると思ってな」 俺はサラリと理由を告げた。しかし、優輝は、それでは納得しなかった。 「経験ならお前とは変わらない。本来なら、和也、部署も同じで、上司のお前が連れて行くのが筋だ。今後の人生を考えても、お前がパートナーであるべきだ。そうだろ?そんな建前ではなく、本当の理由を言えよ」 「……」 「何かあるのか?お前が璃子を守れない理由が」 鋭いな優輝。 これ以上、うわべだけの理由では、誤魔化せそうになかった。 「なんだか嫌な予感がするんだ」 俺は、素直に白状した。 「嫌な予感?」 優輝は心配そうに俺を見つめる。
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