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「その指輪どうしたんですか?」
いつも村上刑事にされているように、あたしは、村上姉さんの事情聴取を始めた。
「もらったの♪」
眩しい!村上姉さんは、キラキラ輝いていた。
「結婚のお話が進んでるんですか?」
「ううん。お正月は、紹介とご挨拶って感じだったの。もちろん坂本さんのご両親も喜んではくれたんだけど、お互いにまだ若いから、もう少しきちんと働いて、結婚資金を貯めとかないとね。だから、もう少しこのままお付き合いを重ねて、ゆっくり愛を深めようって感じかな」
着実に一歩ずつしっかり歩んで行こうとしている坂本さんと村上姉さん。
素敵だなぁ……あたしは尊敬の眼差しを送った。
「っで、その指輪の意味は?」
「おおっと璃子、ツッコミますねぇ」
村上姉さんは、うれしそうに微笑んだ。
「あのね、坂本さんが、約束の証だって」
「約束の証?」
「本物のエンゲージリングはまだもう少し先だけど、由香里は俺のものだっていう証のリングだって」
「坂本さん……カッコいい」
「でしょう♪めちゃめちゃカッコよくて、また惚れ直しちゃった。っていうか、璃子、真っ赤なんだけど」
「……ごちそうさまでした」
聞いてるこっちが恥ずかしい。あたしは、熱を持ってる頬を両手で押さえながら呟いた。
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