2121人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
週末を迎え、和也さんとゆっくり朝食をとっていた。
「あのね和也さん、村上姉さんが、お正月に坂本さんのご両親にご挨拶に行ったんだって」
「らしいね」
「知ってたの?」
「あぁ、坂本から聞いたよ」
「じゃあ、坂本さん村上姉さんに指輪をプレゼントしたの聞いた?」
「それは知らないな」
「坂本さんったら、
『由香里は俺のものだっていう証のリングだよ』
って言って渡したんだって。カッコいいと思わない?村上姉さん、めちゃめちゃ喜んでた」
「だろうね」
「聞いてるこっちが恥ずかしくなったよ」
「璃子が、赤くなってどうするの?」
「だって、キュンってきちゃったんだもん」
「先越されちゃうかもしれないな」
「えっ?」
「結婚」
「……」
和也さんの眼差しに、思わず胸がドクンッと音をたてた。
「したくなった?」
「えっ?」
「結婚」
「……」
思いもよらぬ方向に繋がる会話に、また、以前よりも現実味を帯びる『結婚』の二文字に、あたしはドキドキする。
最初のコメントを投稿しよう!