◇◇ 第27章 パーティーデビュー ◇◇

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「待つよ」 「えっ?」 「前にも言ったけど、璃子が、きちんと成長するまで、待ってるから」 「和也さん」 動揺していたあたしは、手に持っていたフォークを床に落とした。 和也さんが、サッと立ち上がり、あたしの横に来ると、フォークを拾ってくれる。 そのまま、あたしの横で、あたしの肩に手を置きながら、顔を覗き込んだ。 「坂本の気持ちもわかる。俺としては、今、璃子がしている右手の指輪を、本当は、左手薬指にしてもらいたいんだけどね」 「和也さん」 思わずシリアスになってしまった空気。 どうしよう。会話の落とし所が見つからないあたしは、目を泳がせた。 「クスッ」 和也さんが、突然吹き出した。 「えっ!?」 「お仕置きだよ」 「何で?」 「坂本とおんなじ事して、指輪を渡してるのに、坂本ばっかり誉めるから」 「なっ!?そっそんなことないよ。あたしにとっては和也さんの方が、1番だし、素敵だし、カッコいいし……」 チュッ…… 「璃子慌てすぎ」 和也さんは、あたしの頬にキスをした。 からかわれた事は、解っていたけど、甘い言葉と笑顔にキス。朝からノックアウトだった。
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