◇◇ 第27章 パーティーデビュー ◇◇

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和也さんの車に乗って着いた先は、10階建てビルの地下駐車場だった。 「ここは?」 「先輩の経営しているブティックだよ」 和也さんサラリと言っていますけど、明らかに高級ブティックですよね?普通の人が入ることの出来ない佇まいに、あたしは一気に緊張した。 エレベーターに乗り込むと、和也さんは10階を押した。 「1階じゃないの?」 不思議に思って聞くあたしに 「10階に直接でいいんだよ」 って、和也さんは笑って言った。 エレベーターの扉が開くと同時に、スタッフ数名の出迎えにあった。 「松本様いらっしゃいませ」 「こんにちは。寺坂さんいらっしゃいますか?」 「ええ。そろそろだろうと、社長もお待ちかねでしたよ。さぁこちらへ」 感じのいいベテランの女性の方が、和也さんを案内する。あたしは、静かに和也さんの後ろについて行った。 大きな2枚の扉の向こうが、社長室のようだった。 ノックをした女性は、 「社長、松本様がいらっしゃいました」 と、洗練された動きと共に声をかけた。 そのまま、大きく開かれた扉の向こうに通される。 とても広い、社長室兼応接室が広がっていた。 「おぉ、和也!」 さすが本職だけあって、バリッと着こなされたスーツ。見るからにやり手とわかる男性が椅子から立ち上がった。 「お久しぶりです寺坂さん。またよろしくお願いします」 和也さんは、笑顔で答えた。
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