◇◇ 第27章 パーティーデビュー ◇◇

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「初めまして……」 あたしは、寺坂さんと目が合い、慌てて挨拶をした。 「初めまして、噂の璃子ちゃんだね。いつお会いできるか楽しみにしてました」 寺坂さんは、キラリと輝く笑顔を向ける。 「噂……ですか?」 「あぁ、隼人から。そのうち和也が連れていくだろうってね」 「寺坂さんは、隼人の同級生なんだよ」 和也さんが、補足説明をしてくれた。 「じゃあ、早速サイズを測らせてもらおうかな。璃子ちゃんこちらへどうぞ」 寺坂さんが、微笑みながら大きな鏡の前に促す。 「えっ!?あたしですか?」 和也さんについてきただけと思っていたあたしは驚いた。 「璃子、キミのパーティー用のドレスをお願いしに来たんだよ」 「えっ!?」 サラリと言う和也さんを、驚いたあたしは、目を見開いて見上げた。 「あっ!ちなみに、今回のドレスは、璃子ちゃんへのお詫びのしるしとかで、隼人からのプレゼントって言ってたぞ」 寺坂さんが、隼人さんからの伝言を伝えると、 「いいえ。今回は、初めてだから、俺がプレゼントします」 サラリと和也さんが、返事を返した。 「……っていうか、困ります。急にドレスって言われても……」 「「いいんだよ」」 ふたりが、声を揃えて言った。 あたしは、すっかり蚊帳の外だった。
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