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1週間が経ち、パーティー当日。
金曜日って事もあり、社員はそれぞれ早めに帰宅するなか、7時からのパーティーに合わせて仕事を切り上げた。
6時に上がり、先週和也さんにプレゼントしてもらったドレスに着替えた。
パーティー慣れしている冴子さんと、おしゃれ番長の村上姉さんが、あーでもないこーでもないって言いながら、あたしを変身させる。
「璃子は、普段ナチュラルメイクだから、ちょっと色をつけてっと……」
村上姉さんが、メイクアーティストばりに化粧を施す。
「髪型は、若いからサイドを上げて、表情がわかるように顔を出して、後ろは、元々のカールを生かしておくわね」
冴子さんが、自分の準備をしながらあたしの髪をあたる。
「「出来たっ!」」
ふたりの満足気な声に、お礼を言いながら、鏡を見た。
「……うそっ」
日頃、いかに女をサボっているのかが歴然と分かるくらいに変身していた。
睫毛がクルンと上向きで、唇は、プルンとゼリーのよう、そして、ほんのりピンクの頬、それが、髪のサイドを上げることによって、表情豊かに見える……
「どうよっ」
自信満々の村上姉さんが、ドヤ顔で聞いてくる。
「あっ、あたしじゃないみたい……ありがとうございます」
あたしは、はにかみながら、もう一度お礼を言った。
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