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「お祖父様は、璃子の事を知ってるのかな?」
「いいえ。まだ、ご存知ありません」
「そう。じゃあ、時田さん、もうしばらく黙っていてもらってもいいかな?先方のお父様の意向もあって、璃子には、まだ何も話していないんだ」
「そうで御座いましたか。璃子さんが、お若くていらっしゃるのでタイミングを図っていらっしゃるのですね」
「まぁ、そんな感じかな。やっと見つけた大切な女性なんだ。璃子と一緒に歩んで行きたい。結婚したいと思っているんだ。」
「とても素敵なご関係を築いていらっしゃるのですね」
「あぁ。お祖父様にも、きちんとした形で、紹介したいと思っているんだ」
「畏まりました。きっと璃子さんでしたら、旦那さまも、気に入られる事と思います。私も、陰ながら応援させていただきます」
「ありがとう時田さん」
幼少の頃からずっと見守ってくれていた家族同然の時田さんだったからだろう。俺は、自分でも信じられないくらいに、璃子への素直な気持ちを熱く語っていた。
「まずは今夜、そのお気持ちを璃子さんへお伝えして、誤解を解かなくてはなりませんね」
時田さんは、今夜、麗香を連れていた事を心配してくれているようだった。
「あぁ、きちんと伝えるよ」
俺は、静かに頷いた。
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