◇◇ 第30章 小さな告白? ◇◇

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「10年前から決まっていたんだ」 「えっ!?」 頭の上からぽつりと和也さんの声が落ちてきた。 「まだ、俺が学生だった10年前。先にグループに就職した隼人と共に、いずれはグループを背負えるようになってほしいと、今の会長のじいさんに言われたんだ。 隼人と俺は、じいさんの孫でね。俺と隼人は従兄弟になるんだ。 隼人は、社長として育てる為にグループに入社させたんだが、俺は、10年後に使える男になって戻って来いと言われたんだ。 俺の血縁は、社内では取締役以外には秘密で、今までやって来た。そして、今年が約束の10年目。 5月迄で退職してグループに戻る事になってたんだ」 あたしは、じっと和也さんの腕の中で、鼓動と一緒に伝わってくる和也さんの言葉を聞いていた。
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