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「さぁ、お風呂に入っておいで。誕生日に風邪をひかれちゃ困るからね」
「うん」
和也さんの笑顔につられて、一緒に微笑んだ。
「帰りがずいぶん遅かったけど、お友達と、ずいぶん盛り上がったみたいだね」
「あーっ、う、うんっ」
あたしは、濡れたヒールを脱ぎながら答えた。
「学生の時の友達?」
「ううん、違うよ」
「えっ?」
一瞬、和也さんの声のトーンが変わった。
ミスった!
泣きわめき、疲れた心は、緊張から解放され、なんにも考えずに、素直な気持ちを答えていた。
「あっ、あぁ、最近知り合ったお友達……」
「最近?」
「うんっ」
「もしかして……男?」
「えっ!?そんな訳ないじゃん。女の人だよ」
「そう」
「うんっ……です!」
「どこに行ってたの?」
「あの大通りの角の大きなホテルのカフェ」
「そう」
和也さんの表情が、少し固くなった。
「さぁ、お風呂に入らないと風邪ひいちゃう♪そうしよう。そうしましょう」
あたしは、わざと明るく振る舞いながら会話をぶち切ると、自分の部屋へと向かった。
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