◇◇ 第30章 小さな告白? ◇◇

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「だって」 「だって?」 「初めての会話なんだもん」 「初めて?」 「今までは、あたしは和也さんの予定をすべて把握していて、和也さんもあたしの予定を把握しているから、『土曜日お休み?』とかって、聞かれる事もないし、聞く必要もなかったじゃない? 今も、あたしは、幹部の日程表を確認するから、和也さんの予定をザックリだけど把握していて。でも、和也さんは、あたしの予定を知らないでしょ。 だから、なんだか……」 「なんだか?」 「恋人同士の会話みたいで、くすぐったい」 「そうだな」 「なんだか新鮮」 「そうだな」 ふたりで瞳を合わせて微笑みを交わした。 「土曜日って……あっ」 あたしは、思わず和也さんを見つめた。 「んっ?」 「もしかして……知ってたの?」 「当然。一緒に誕生日を祝おう」 和也さんは、余裕の笑みを浮かべた。 「……ありがとう。まさか、知ってるなんて思わなくて」 「去年から知ってたよ。だけど、去年、面識も無いのに突然おめでとうって言っても、ただの気持ち悪い男になってただろ? だから、2年分祝おう」 「うん」 あたしは、うれしくて胸を高鳴らせた。
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