ずっとそばにいてくれたね 第24話

10/17
前へ
/40ページ
次へ
「璃子ちゃん、誕生日プレゼントはもらったの?」 真っ赤になって、ドキドキしているあたしに、何食わぬ顔した更科さんが、さらに会話を続けています。 「えっ、えっ!?あっ、更科さんのお店に連れて来ていただいているので、十分です」 動揺が隠せず、しどろもどろで、和也さんにも気を遣いながら、あたしは返事をしています。 「あっ、そうか!ごめん璃子ちゃん。俺としたことが、気がつかなかったね」 「えっ!?」 更科さんは、何かにお気づきになったようですが、あたしには、更科さんの言葉の意味が解りません。 あたしは、目を丸くしながら更科さんを見ました。 「そっかそっか。昨日の夜も、プレゼントももらえないくらいに、ふたりで忙しかったんだね」 更科さんは、申し訳なさそうな表情を浮かべて、わざとらしくあたしを見つめました。 「……」 げっ!絶対にわざとだし!からかってるし! 解ってはいても、あたしはどんどん紅く染まっていきました。 「更科、そのくらいで許してやって」 和也さんが、肩を揺らしてクスクス笑いながら他人事のように言っています。 「アハハハ……ごめんね璃子ちゃん。つい苛めたくて、いやっ楽しくて、いやっ、かわいくての間違いだな」 更科さんは、楽しそうに笑いました。 絶対、『楽しく苛めたくて』なんだから! あたしは、更科さんをちょっとだけキッと睨んじゃいました。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1782人が本棚に入れています
本棚に追加