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更科さんは、尚も語りかけるかのように話を続けた。
「俺たちは、和也を高校から見てきただろ?あのルックスに、頭もキレて、運動も出来る。当然、それなりにモテていたし、付き合った彼女もいたよ。
でも、璃子ちゃんを見つけた和也は、本当にますますイイ男になった。
守りたい大切な人を見つけたって感じかな。
この1年半の和也の変化は、相当計り知れない。
男の俺から見ても、璃子ちゃんの存在の大きさは明らかだよ。
璃子ちゃん、和也は、本気でキミの事を大切にしているんだ。だから、璃子ちゃん、和也の人生に巻き込まれてやってよ」
更科さんは、にっこり微笑んだ。
「……更科さん」
親友の更科さんの言葉は、とても神聖で、あたしの心の奥底に響いた。
同時に、あたしの弱い心をもしっかり支え、あたしに多くのエネルギーを与えた。
初めて見た更科さんの真面目な表情に、あたしの視線は釘付けになった。
「璃子ちゃんが、俺を選ぶなら、今すぐこの胸に飛び込んでくれてもいいけどね」
「……へっ!?」
……台無しだ。
更科さんは、いつも通りのジョークを交えて、あたしを笑わせた。
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