ずっとそばにいてくれたね 第24話

14/17
前へ
/40ページ
次へ
「ずいぶんと楽しそうだね」 電話を終えた和也さんが戻って来た。 「あぁ、和也。もう少しゆっくりでよかったのに」 更科さんが、笑いながら答える。 「何を話してたの?」 笑顔の和也さんが、あたしに聞く。 「えっ!?何って!?」 「乗り換えについて少々。ねっ璃子ちゃん」 「えっ!?」 っていうか、更科さん、せっかくいい話だったのに、そっち!?ってツッコミをいれたい。 「さぁ、お仕事しようかな。じゃあ、また食事が終わった頃にでも覗かせてもらうよ」 更科さんは、にっこり笑いながらウインクして部屋を出た。 「乗り換え?」 和也さんが、不思議な顔をして、あたしに聞く。 おいおい更科さん、そんな問題な言葉だけを残して立ち去るなんて……どしたらいいのよ。 「えっ。電車とか、飛行機とか、乗り物の乗り換えのタイミングって難しいねって……」 ダメだ。 和也さんが、固まった。 「璃子」 「……はい」 「嘘がヘタすぎる!」 「……すいません」 あたしが、ペコリと謝ると、和也さんはクスクスと笑いだした。 「どうせ更科の事だ、自分に乗り換えたらとでも言ったんだろ?」 なんだ、解ってんじゃん!さすが親友! 「……当たり」 あたしたちは、ふたりで目を見合わせて笑った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1782人が本棚に入れています
本棚に追加