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整った容姿の美しさは変わりませんが、パッと華やかな笑顔に、社員を立てて一歩引く低姿勢、そして見事な気配りと仕事の飲み込みの速さ。それはそれは派遣社員の鑑のような人でした。
「ねぇ、美紅はいくつなの?」
冴子さんが聞くと
「今は25歳ですが、今年26歳になります」
「「ええーっ!?」」
驚いたのは、村上姉さんとあたし。
「あたしとタメじゃないの!?」
村上姉さんは、驚きを隠せなかったようです。
美紅ちゃんは、童顔で、少し背が低いせいか、若く見えました。
「じゃあ、本当は美紅さんって呼ばないといけないのね」
って、すっかりタメ口のクセに、村上姉さんが言います。
「もう、そのままプライベートはタメ口で。由香里ちゃんには、いろいろお世話になってるし」
「じゃあ、そういう事で!あっ!あたしの事は、由香里でいいから」
村上姉さんったら、最初から敬語に戻す気ゼロじゃないですか。
あたしは、クスクス笑った。
「あっ璃子ちゃんも」
「えっ!?あたしもいいんですか?」
「うん。本当にお世話になったから」
「では、ぼちぼちタメ口でよろしくお願いいたします」
出会いが出会いなだけに、村上姉さんとあたしは、あっさり美紅ちゃんと打ち解けた。
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