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「あぁ。あたしたちは大丈夫ですよ」
「本当に?」
「本当に」
「あーっ、ホッとした」
急に肩の力が抜けたように、村上姉さんは、給湯室の椅子へと腰かけた。
「ありがとうございます。心配してくださって」
「なんかさぁ~」
「えっ!?」
「なんか、璃子ったら、どんどん大人になってる」
村上姉さんは、椅子から見上げながら、拗ねたような感じで呟いた。
「そんなことないですよ」
「いいやっ。なんだかイイ女になってる」
「そんなことないですよ」
「面白くない!」
「それが本音ですね」
「まぁねっ♪でも、寝床が一緒だから慌ててないのかっ」
「そんな動物の親子みたいに言わないでくださいよっ」
「「ふふふっ」」
2人で目を見合わせて笑った。
「じゃあ、最終日の松本部長の送別会で、しっかり送り出してあげようかねっ」
「はいっ」
村上姉さんの優しさを感じたあたしは、めいいっぱいの笑顔を向けた。
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