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……うーん、朝かな?
気持ちよく、ゆっくり深く眠れた。
耳元で和也さんの呼吸の音が微かに聞こえる。
あたしは、ゆっくり目を開け、ぼんやりと天井を見つめた。
身動きの取れないあたしは、どうやら和也さんの腕の中にいる。
あーっ幸せ。あたしは、気持ちよく微睡んで(まどろんで)いた。
「璃子おはよう」
耳元で、和也さんの囁く甘い声が響いた。
「おはよう」
「身体、キツくないか?」
尚もあたしの耳元で小さな声で和也さんが囁く。
「……ぅん」
っていうか、朝イチで、この会話は、めちゃめちゃ恥ずかしい!
「ごめんな。手加減出来なくて」
「……」
嘘ばっかし。余裕だったくせに。
「璃子に誘われるなんて思ってもみなくて……」
「……」
冷静に起きた今、昨夜の大胆な自分を思い出すと、めちゃめちゃ恥ずかしい!
和也さんの口があたしの耳元にあるまま、ギュッと抱きしめられてるから動けない。和也さんからはあたしの顔が丸見えだけど、あたしからは顔も見えない。
じわじわと赤面していく。
「クスッ」和也さんが、吹き出すように笑った。
あっ!やっぱりからかわれてた!
急に和也さんの腕から力が抜けて、あたしは自由になった。
「もぉーっ、和也さん!」
勢いよく和也さんの顔を見たら……
ドキッとするほど、余裕綽々で、うれしそうに笑う和也さんの笑顔があった。
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