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あたしは、もしかしたら新しい恋の誕生になるかもしれない空気に、ウキウキしていた。
怪しまれないように自分のテーブルに向かう為に、村上姉さんの作戦通りにビールビンを持ち、ビールを補充しながら戻った。
テーブルには坂本さんと足立さんも参加して、盛り上がっていた。
途中、あたしは隣に座っている優輝さんの背中から、チラッと和也さんを掠め見た。和也さんは、みんなに囲まれて楽しそうに飲んでいた。
和也さん、よかったね。
あたしは自分の事のようにうれしかった。
2次会、3次会と続き、気がつけば日付が変わっていた。
みんなは最後に和也さんを酔わせようと企んでいたようだか、めっぽう強い和也さんは、態度が全然変わらずに、周りの立ち向かって来る後輩たちを優輝さんと冴子さんと潰していた。
「さすが、恐るべし同期3人衆ねっ!これが今夜で見納めかと思うと残念だわっ」
村上姉さんが、様子を遠巻きに眺めながら呟いた。
「今日は、みんなありがとうございました。お世話になりました」
和也さんが、みんなにお礼を述べた。
「松本部長、バンザーイ!バンザーイ!!」
酔っぱらいたちの大きな歓声を浴びながら、和也さんの送別会は締め括られた。
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