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午後からの仕事は、思いの外はかどった。多分、1分でも早く帰りたいって気持ちが、モチベーションを上げたんだと思う。
「藤井さん、他にお手伝い出来ることはありませんか?」
「ええ、今日はもう大丈夫よ。何か用事でもあるんじゃない?」
「えっ!?」
「いつもより、楽しそうに仕事を片付けてたから」
「あっ……」
「さては、松本さんとデートかな?」
「……はい」
言い当てられて、あたしは少し頬を染めながら答えた。
「じゃあ、帰れるときに早く帰りなさい」
「はい。ありがとうございます」
優しく微笑む藤井さんに挨拶をして、デスクを片付けると、あたしは更衣室へと向かった。
『和也さん、今、更衣室です。今から着替えて会社を出ます』
あたしは、更衣室で和也さんにメールを打った。
『早かったね。俺も出るところだから、特別、部屋に用事が無ければ、マンションの駐車場で待ち合わせしようか?』
『はい。では、駐車場に向かいますね』
そこまで送ると、急いで着替えた。
よかった。今日は、偶然にもお気に入りのワンピースを着ていた。お化粧を整え、逸る気持ちを抑えながらもウキウキしながら会社を飛び出した。
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