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提灯の間に掛けられた大きな暖簾をくぐると、大きな格子硝子の引き戸があった。
ガラガラガラ……
ゆっくりと引き戸を開けると、綺麗な和服を来た年配の女将さんが、笑顔でゆっくりと挨拶をした。
「松本様、お久しぶりでございます。ようこそお越しくださいました」
「女将さん、お久しぶりですね。今夜はゆっくりさせていただきます」
「ええ。今夜は、とてもタイミングがよろしいですよ。楽しんでいかれてください」
親しげに話す和也さんと女将さん。タイミングって?なんて思いながらも、案内されるがまま、黙ってついて行った。
ふかふかの絨毯が敷き詰められた長い廊下を歩き、通されたお部屋は、六畳ほどの和室で、大きな一枚板のテーブルがあり、ほりごたつになっていた。
テーブルの横の壁には、幅が3m、高さが120cmほどの大きな窓がはめ込まれており、座った目線からは、窓の外に綺麗に整えられた庭園が楽しめるようになっていた。
「では、始めさせていただきますね」
上品にご挨拶をされた女将さんが、ニッコリ微笑むと、静かに部屋をあとにした。
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